深夜道楽

美しい天体写真を追い求めて…

天文機材・ソフト

AstroGPV更新停止中(T_T)

AstroGPVをご利用の方にお知らせです。
先週金曜日の15:30の更新を最後に、新しいデータが取得できなくなっており、いまも更新を停止しています。
原因は、元のデータの供給元である京都大学生存圏データベースのサーバーがダウンしているためです。
 
↑このダウンが原因。
 
一時ずっと調子の悪いサーバーでしたが、最近安定してきたなと思っていた矢先です。
いまは大学の春休みなので、すぐ復旧できないんですかね。困ったものです。
新月が目前だというのに。。。
復旧するまでとりあえずGPV気象予報のほうで見てください。

消音ボックス 2号改完成

カーボンファイバー模様の発電機消音ボックスの2号改が試運転を経て完成しましたので報告です。

2号機のマフラー箱は箱の内側にグラスウールを貼って吸音して、底にあけた穴から外に排気するだけの単純な構造でした。

 
T-Fixさんの消音ボックスのすばらしい性能を目の当たりにして、さらなる消音性能向上を目指してマフラー箱の容量を増して、排気経路を長くし、小部屋に別けて膨張室効果で消音する2号改型を製作しました。
マフラー箱のなかは4つの小部屋に分かれており、発電機からの排気ガスを直接受ける中央の箱から右の箱、上の箱、左の箱という一本の長い経路を通って排気するようにしてあります。
最終排気のところではT-Fixさんから余剰パーツとして譲っていただいた耐熱軸流ファン2個をつけて、強制排気で過熱を防止しています。


この設計変更の結果、2号改の消音効果は2号よりもかなりアップし、車のアイドリング音とほとんど遜色のないレベルになりました。
音質が違うので比較しにくいのですが、場合によってはアイドリング音より静かかもしれません。
さっそく14日の荒木根遠征で実戦テストをしました。
ところが、エンジン回転音がもうひとつ不安定で、3時間くらい連続運転のあとエンストしてしまう問題が発生。
しかもマフラーボックスのなかは不完全燃焼のススが付着しておりました。
どうも排気経路が長大なのと箱同士を連絡する通気穴が小さすぎ(径3cmくらい)て排気抵抗が大きすぎたのが原因みたいです。
そこで、早速バイパス手術を行なって、中央の箱から左右の箱に3cm×6cmくらいの穴を両方開け、左右の箱からそれぞれ外部への排気穴をあけたところ、スムーズに排気されるようになったようで快調にエンジンが回るようになりました。

2号改の最初の設計より排気経路が単純になりましたが、消音効果はそれほど低下しなかったので、多段膨張室設計はあまり意味のない試みでした。
まずはこれで当初の目的性能を発揮したので完成ということにします。
 
 

横倒しにしたところ
 

機械カバー部と、消音マフラー部をはずしたところ

今回の消音ボックスに使った材料はだいたい次の通りです。
 
ダンボール箱(二重段ボール仕様のもの)500円くらい
使ってない工具箱についていた取っ手 (無料)
クロステープとバックル(500円くらい)
防水用のカッティングシート(2.5m 1000円)
防水型3口延長コード(750円)
ロックウール25mm厚(600*900mm) 2枚入り 4480円
エンジンルーム静音シート 2751円
耐熱軸流ファン 2000円で譲ってもらいましたが定価は6000円くらい?
木工ボンド 1000円くらい
シリコンコーキング剤(ガンふくむ) 1000円くらい
------------------------------------------------------
合計 約14,000円くらい
 
耐熱ファンを正規に購入したとしても20000円はかからないと思います。
なお、いちおう熱がこもらないように強制排気ファンをつけましたが、排気抵抗が少ない設計にすれば、ファンがなくても問題なく動作するかもしれません。
実際この消音ボックスはファンを回さなくても普通に運転できています。
このように、段ボール製の簡易消音ボックスでも相当静かになりますので、発電機を使われる方は一度考えてみられてはいかがでしょうか。

フラットエイド ver2.4ができました

今回のバージョン2.4ではいくつかの追加機能があります。
 
星像検出ダイアログで、プレビュー画面を表示
 
6aa44910.jpg

 
上の画像領域にはプレビュー画像が、下の画像領域には全体画像とプレビューされる位置が表示されています。
下の画像をクリックすると、その場所の星像検出領域がプレビューされます。
 
 
星像検出された部分や修正ブラシで書いた部分を「消す」ための消しゴム機能を追加
 
b7161d3c.jpg

 
「□消しゴム」をチェックすると、消しゴムになります。
このサンプル画像では星雲部分の星像検出領域を消しています。
 
 
修正ブラシ・消しゴムブラシの形状を従来のソリッドな円形のほかに、エアブラシ状のスプレーモードを追加
 
1e9baf96.jpg

 
右側の修正ブラシで書かれた部分が従来型です。
左側がスブレーモードで修正した部分です。
これで星像消去を実行すると、
 
e3b732af.jpg

 
このように修正ブラシで領域指定した部分が自然になります。
消しゴムとスプレー機能は、フラットエイドのシェーディング画像を星雲強調に使うときに有効になると思って追加しました。
 

 
12/4 ver2.4.0で星像消去に時間がかかるバグを修正しました.
 
 
▼ダウンロード
 
私のホームページ(下記)のSoftwareコーナーのFlatAideのページからダウンロードしてください。
 
 
 
 

 
 

星マスクを使わない星雲強調

天体画像処理では、淡い星雲を強調するときに、星が肥大化しないために「星マスク」を使って星に強調がかからないようにするのが常道です。
ですが、星に黒縁がでてしまったり、その手順やさじ加減はそう簡単なものではないです。
自分も夏の天体画像処理講座合宿でその方法を教わってから、何度かその手法をつかわせてもらっていますが、なかなか思うようにコントロールできていません。
そこで、フラットエイドを使った星雲強調の手法を考えてみましたので紹介させていただきます。
次の画像が元画像。
先日希望ヶ丘で7時間撮影したNGC1333付近の画像です。
 
da39d690.jpg

 
これを、フラットエイドを使って星雲強調したのが次の画像です。
 
0d4a7d1e.jpg

 
ほとんど星が肥大・強調されずに、星雲が強調されているのがわかると思います。
使用するソフトはフラットエイドとフォトショップCSです。
ざっくり手順を説明します。
 
1.画像をフラットエイドに読み込む
 
2.星像検出をおこなう
 この画像ではこんなパラメータでやりました。
85814a18.jpg


 シェーディング画像ビニング倍率はかならず1にしてください。
 
3.星像消去
 星が消えたら、そこで保存します。
 フラットエイドを使うのはここまでです。
 
4.フォトショップでレタッチ
 星なしの画像をフォトショップで読み込み、星の痕跡部分をスポット修復ブラシツールで消して、きれいな星なし画像を作ります。
 このとき、星の痕跡はきれいにしつつ、しかも背景の星雲部分にはなるべく障らないように注意します。
5a502c25.jpg

 
 
5.元画像をレイヤーに読み込んで、透過率を調整しつつ重ねます。
 これで背景の星雲は元と同じ輝度で、星だけが暗くなった画像ができるはずです。
 元画像の不透明度を低くするほど星がより暗い画像になります。
 
6.トーンカーブやレベル調整レイヤーを上に重ねて、星雲を強調。
 星の輝度がかなり落ちているので、そのぶん星雲を強調をしても星は飽和しません。

基本的な手順は以上です。
ただ、実際には部分的に消しゴムツールやマスクを使う必要があると思います。
この手法を使うと、星を肥大化させないだけではなく、星をオリジナルより暗くしつつ星雲を強調する、ということもできます。
たとえばこんな感じです。
 
fc52d9c3.jpg

 
興味がありましたら一度お試しください。
 

発電機消音ボックス2号

電気食いの冷却CCDとPCを使って天体撮影をするにはディープサイクルバッテリーといえども全然余裕はなく、連泊ともなると発電機を使わないでは不可能に近いです。
便利な一方、発電機の運転音は結構大きなもので、有名撮影地で大勢の人が撮影しているようなところでは気が引けてしまいます。
なるべく他に人がいないマイナーな撮影地を選ぶようにしていますが、発電機の音を小さくすることができればそれに超したことはないのです。
そこで発電機導入直後に段ボール製の簡易消音ボックスを制作してそれをずっと使ってました。
 

消音ボックス1号

消音効果は多少はあったので、こんなものかと思ってましたが、先日T-Fixさんが車のアイドリング音より静かというすごい消音ボックスを作られたのに刺激をうけ、自分も消音ボックスを作り直してみました。
もともと私の作った段ボール製の消音ボックスが多少効果があったのをT-Fixさんがご覧になって、それで制作を思い立ったそうですが、こんどは逆の立場です^^;
初代の消音ボックス1号は段ボール製で、内側に防音フェルトとグラスウールを貼って発電機の上からかぶせただけの超安直設計でした。
T-Fixさんのは大型のプラスチックケースで重量22キロ以上という超本格的なものですが、自分は安価・安直・軽量・コンパクトのコンセプトを変えずに、材質は段ボールのままにしました。
消音ボックス1号の問題点は、吸気と排気の仕切りの気密が甘く、排気が吸気にまわってしまうことによるエンジン不調でした。
それをできるだけ解消しようと、吸気側にPC用のクーラーファンをつけてスムーズな外気導入をはかりましたが、根本的な解決にはならず、結局安定運転のために排気の直接あたる段ボールの部分を穴あけしてストレートに排気されるように姑息な手直しをして使ってました。
これで一晩エンストすることもなく安定運転できるようになりましたが、せっかくつくったマフラー室がほとんど機能しないため、消音効果がほぼスポイルされてしまいました。
消音ボックス1号の最大の問題点である吸排気の気密問題を解消するため、2号ではマフラー部を別ボックスにして接続部分をシリコンシーラントで発電機の形状にあわせてつくり、吸気部と排気部の気密を確実にする設計にしました。
ボックスを機械カバー部分とマフラー部分に分割したのは、しっかりマフラーを密着するためと、分割収納でコンパクト化を推し進めるためです。
マフラーボックスと発電機を密着する部分の工作はT-Fixさんの工作記事を参考にさせていただきました。
たしかにシリコンシーラントがなかなか内部までかたまらないのでイライラしますね。
発電機側の養生ですが、私は発電機のシリコン密着部分に紙のガムテープをすきまなく貼っただけでシリコンシーラントを型どりしました。
ガムテープの表は粘着しないフッ素加工がほどこされているのでそう苦労せずに離型することができました。離型剤や中性洗剤など一切使わない安直な方法です。
 
09939e15.jpg

マフラーボックスとの接続部

2つのボックスの連結はクロステープでバックル止めにしてテンションを調節できるようにしました。
ほかの改良点としては、運転中のガソリン追加ができるよう天井に給油蓋を新設、消音ボックスをかぶせた状態でエンジン始動・停止ができるよう側面にも操作カバーをつけました。
外装はカーボンファイバー柄のカッティングシートを貼って、1号の迷彩柄よりちょっと現代的になりました^^;
雨の日に使うことはなくても、夜露対策のためカッティングシートを全面に貼って防水することは必須です。
段ボールは強度のあるダブルタイプを使用、内側に10ミリ厚のフェルトと25ミリ厚のミクロングラスウール(チクチクしない)を貼ってあり、グラスウールの粉塵飛散防止のため水で薄めた木工ボンドを霧吹きでかけました。
マフラーボックスのほうの消音材は、耐熱温度255度で難燃素材とうたっている消音材を使いました。
なお吸音材はすべて秋葉原のコイズミ無線で買ってきたものです。
また2号では吸気ファンや排気ファンはつけておらず、自然吸気、自然排気としました。
また、消音ボックスといっても、地面に置いた発電機に上からかぶせるだけの簡易構造となっており、1号2号とも同じです。
 
89a8e040.jpg

消音ボックス2号
 
86403122.jpg

給油蓋
 
898af800.jpg

消音ボックス1号と2号

で、完成して試運転。
消音ボックスをかぶせてエンジン始動すると、明らかに消音ボックス1号より静かです(^o^)
正確ではありませんが、iPhoneアプリの騒音計で2メートル地点で騒音を比較計測してみました。
 
環境騒音 55db
消音ボックスなし 73db
消音ボックス1号 70db
消音ボックス2号 67db
車のアイドリング 65db 
 
車のアイドリング騒音以下ももう少しで達成出来そうです。
これ以上の消音性能アップには、マフラーボックス大型化と、全体の重量を重くして低周波振動を抑制する方法が考えられます。
騒音抑制に一番寄与するのは排気音の低減であることと、重量を重くするのはコンセプトからはずれてしまうので、2号改ではマフラーボックス大型化と排気ファンの装着を計画しています。
先週、連泊遠征で実戦投入しましたが、エンジンは一晩中終始階調で、数時間運転後のマフラーボックス内の温度も手でさわれる範囲内におさまっていてほっとしました。
 

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